はじめに
この記事に対するアンサーとして、個人的なアイデアが浮かんだので書いてみます。
違和感のつかまえかた
私がテスターとしてのキャリアを始めた頃、miwaさんの「違和感のつかまえかた」というブログを拝見しました。
テスター1年目の当時は正直よくわからなかったのですが、今ではこの感覚はよくわかります。
私は自分自身を「プロのテスター」と自称することがあります。
これは自分自身が持つ責任を表現する意図です。
そして、同時に、ソフトウェアの悪さを発見することに対して、プロダクトによらず発見することができる自信があるからです。
その根底にはmiwaさんがおっしゃる「違和感のつかまえかた」に通じるもの、というかすでにmiwaさんがすべて言語化しているようなものを、私自身も一部分持っているからだと思っています。
違和感のインフレーション
私はこの「違和感」について、新しい比喩を用いて表現しようとしました。
真っ先に思いついたのは「ビッグバン」です。その中で「インフレーション」という言葉がわかりやすいと思ってこの言葉にしました。
実際の物理学的な用語定義とは異なります。
テスト実行する時のダイナミックな違和感
私は違和感をつかまえる時、その認知のダイナミックさを感じるときがあります。
これはmiwaさんが資料の中で言及されている、風邪のメタファー、その中でもウイルスの増殖と同じようなものかもしれません。
小さな、微少なたったひとつの違和感が、徐々に増えていきそれがあるタイミングで指数関数的に増殖します。
これがある閾値を超え、確信に変わった時に、違和感は「期待結果」と「事実」を伴って立ち現れ、それをバグとして言語化します。
これは私は宇宙が発生した時の動きに近いと思っています。
宇宙は、ビッグバン後の10マイナスすごい数乗の極めて短い間に、凄まじい膨張を始めました。
私は宇宙の誕生ほど短い期間ではないですが、テストをしているときに、ほんの数秒---あるいは1秒に満たないかもしれません---「違和感が指数関数的に膨らんでいく」ことを感じることがあります。
違和感がインフレする
私はこれを今「違和感のインフレーション」と名付けました。
例えば私の中で違和感がインフレーションするとき、以下のようなことが起こります。
- 現実を認知する
- 言語化できないエネルギーが生まれる
- それがある種不快、あるいは好奇心であることに気づく
- その感情と現実を比較する
- 違和感であることに気づく
これらのプロセスにおいて、決して単一の活動ではなく、過去のパターン認識や環境・状況などの要因によって、何かと何かが結合するような、それこそ宇宙の誕生のようなものを感じています。
インフレーションのスピードに言語化は間に合わない
このインフレーションにおいて、多くの場合は言語化は間に合わないと考えています。
特に2番は創造的なエネルギーであり、これが違和感として言語化された瞬間、酸素が燃焼し、火に変わっていくような変換が起こる感覚を持っています。
そう考えるとプラズマのようだと考えることもできますね。
正直、何言ってるかわからないかもしれないです。
私も、1年前まではわからなかったでしょう。すべてを言語化できると考えてしまうからです。
でも今は違う現実を見ています。
創造的な何かが起こる時、---もちろん創造性はプログラマーやプロダクトマネージャー、デザイナーだけでなくテスターにも起こります---そこには言葉にできない何かから生まれるということです。
テストを生成的の起点と考える
nacoは「テストも品質も単なる結果ではなくそれ自体が生成の起点である」と述べています。
私はテスト実行を通して、テスター自身から創造性が生まれる瞬間、それが違和感として結実するまでのプロセス、そしてその場にいることにより、場にどのような生命力が生まれるかに興味があります。
「違和感のインフレーション」これが私以外にあるとしたら、どんなふうに生まれるかを知りたいです。
そしてそれが生まれた時、その場がどうなっていくかを知りたいです。
ここまで書いて思いついた言葉があります。
「テスト宇宙」
テスト宇宙はマルチユニバースな構造かもしれませんね。
読者のみなさんのテスト宇宙を、その構造を知れることを、私は楽しみにお待ちしています。