はじめに
私は転職意欲の有無に関わらず、カジュアル面談を拒みません。
そういった背景もあり、今まで100社近い会社とカジュアル面談を行ってきました。
その中で「1人目QAになってほしい」と誘われることもあります。
しかし、お話を伺う中で、注意すべきポイントがあるなと考えることがありました。
それらについて言語化を試みます。
「品質はQAが考えてくれる」ではなく「自分で考えてみる」
「品質について不安だから専門家のQAに考えてほしい」と考える人がいます。
それは分業という点では効率はいいとは思いますが、組織の品質文化を考えると、必ずしもいい方法ではないと思っています。
ぜひ一度品質について考えてみてほしいと思います。
「品質について考える」はハードルが高いように思うかもしれません。
ただ私は一度素朴に考えればいいと思います。
それは「顧客満足を最大化するために何ができるだろうか」「顧客満足を損なわないためにどうすればいいだろうか」です。
これらについては「効率的」「効果的」という観点でそれぞれ考えて、言語化を試みたらいいと思います。
品質保証の真髄は「顧客志向」だと私は考えます。
「顧客満足」を目的として、やるべきことを考え、やる、というのが品質保証の本質だと考えます。
これらを考えたときに、「必要な専門性が足りない」と思った時に、必要なQAエンジニア像がクリアになるのではないでしょうか。
「とにかく自動化してほしい」ではなく「自動化が選択肢にある人」
一人目QAとしてテスト自動化エンジニアを雇おうとする組織もよく見かけます。
私個人の意見としては、品質保証の経験よりも、ソフトウェアエンジニアリングの素養がある人の方が、QAエンジニアとしては柔軟に動けると思っています。(実際は両方あるのが望ましいです)
一方で、自動テストを実装する技術よりも、まずは自動テストの取捨選択を行なったりする技術に目を向けてほしいという個人的な思いがあります。
「テストがボトルネックになっているから自動化してほしい」という理論があるならば、ソフトウェア開発全体の自動化を検討するべきだと考えます。
上記について「詭弁」だと思われたならテストに対しても同じです。
テストのアクティビティはテスト実行だけではありません。また、テスト実行以外のアクティビティを自動化する技術もありますが、これらによって人の仕事がなくなるわけでもありません。
E2E自動テストの構築・運用の場合、よっぽどハイクラスな自動テストエンジニアでないかぎり、一人のQAエンジニアで実装できる範囲は限定的ではないかと考えています。
なので、テスト自動化の実装技術のみにフォーカスするのではなく、ソフトウェアエンジニアリングそのものの素養を判断したほうがいいと考えます。
「〇〇さんみたいな人がいい」ならその人をバイトで雇う
「〇〇さんみたいな人に来てほしい」と要望を持っている会社があります。
ここでいう〇〇さんとは、業界の有名人です。
具体的な人物像があることは素晴らしいことですが、だとしたらアルバイトなどの時短勤務であってもその人を実際に雇って、次の採用に繋げた方がいいと考えます。
実際にその人と働いたことがある上で、本当にその方が今の会社のフェーズに必要かどうかを判断してみた方がいいと思います。
また、業界のプロップスが高い人が業務委託でコンサルしていると、次の〇〇ジュニアにも繋げやすいと考えます。
ダメ元でいいので、有名人にオファーしてみたらいかがでしょうか。
QAエンジニアは本当に必要なのか?
「QAエンジニアが必要」というのは本当にそうなのか?と思う時があります。
品質保証やテスト以前に、ソフトウェアエンジニアリング全体や組織が未熟な場合もあると思います。
その場合は、テストの専門家よりも、品質保証に対して造詣が深いEMを雇った方がいいと私は考えます。
個人的な考えですが、例えばテストに課題があったとしても、「テストのタスクをこなせる技術者」よりも、「テストに対して正しい期待値と正しいマネジメントができる人」がいた方が適切に問題解決ができる場合もあると思っています。
なので、QAエンジニアにこだわらずに、他のロールであっても問題解決ができないかどうかは考える価値があると思っています。
QAエンジニアへの理解を深める
QA=テストと考えている人がよくいますが、それは正しい場合もあれば、間違っている場合もあります。
コンサルや製造業の品質保証部であってもQAと言ったりします。彼らはテスト実行をしないこともあります。
私は個人的に支持しないですが、QAはテストの上位職であり、テストをマネジメントだけする人たちだと考えている人もいます。
ですので、個人的にはQAやテスターで探すよりも、「自分たちの品質に対する課題はなんなのか」を一度言語化してみて、それが叶う人をロールで縛らずに探してみることも有効なのではないかと考えます。
「QA計画」「QA設計」「QAケース」という言葉を使ったり、「テスターのようなレベルの低い人ではなくQAを求めている」などと言っている会社も何社か見かけましたが、私は正直いい気持ちになりませんでした。
そんな私みたいな気難しい人もいます。
おわりに
個人的に1人目QAエンジニアは魅力のあるポジションだと思っています。
なのでQAは比較的募集しやすいのではないかとも思っています。
だからこそ、各社にはよく考えて採用に臨んだ方がいいのではないかと考えています。